ANAが新たに導入する国際線仕様のボーイング787-9の新シートがついに発表されました。
今回の注目ポイントは、まさに "全クラスで快適性を高めた" こと。
特に、787でもビジネスクラスが個室化され、大きく進化しました。
プレミアムエコノミーやエコノミークラスも従来機より座席スペースが広くなるなど、大幅な刷新が行われています。
この記事では、ANA新787の座席仕様を中心に、従来機材との比較を交えながら解説!
新機材の概要:プレミアム重視の座席構成

新しいANAのボーイング787-9は、以下のような座席構成です。
- ビジネスクラス:48席
- プレミアムエコノミー:21席
- エコノミークラス:137席
- 合計:206席

従来のANA 787-9国際線仕様の構成は、
- ビジネスクラス:48席
- プレミアムエコノミー:21席
- エコノミークラス:146席
- 合計:215席
エコノミークラスが9席(1列分)減って、大胆に“プレミアムシフト”した構成です。
【主役】新ビジネスクラス「THE Room」が進化

ANAのフラッグシップ座席「THE Room」(ボーイング777-300ER)が「THE Room FX - Elevating comfort through innovationとして、787-9に初搭載。
- フルフラット+ドア付き=ほぼ完全個室
- 横幅約1mの広々空間で、ANA史上最もワイド
- プライバシーを確保する前後交互のZ配列
- 大型モニター、機能的な収納スペース
従来はボーイング777-300ERにのみ搭載されていたTHE Roomですが、今回の新787-9ではこの座席が搭載され、長距離路線でも極上の空の旅が可能になります。

座席の配置は、前後互い違いのZ配列。

後ろ向きは不快に感じるかと思いきや、実際に乗ってみるとまったく気になりません。
それよりも、個室ドアの恩恵のほうがはるかに大きいと感じられます。

そして新たに「プリリクライニング方式」を採用。
あらかじめ背もたれがリクライニングされた状態でセットされており、座った瞬間から快適な姿勢が取れるのが特徴です。
離着陸時は通常リクライニングが使えませんが、最初からゆったり座れる点が大きな魅力です。
プレミアムエコノミー:ピッチが40インチに拡大

プレエコにも大きな進化があります。
- シートピッチは40インチ(約101cm)で、従来比+2インチ(+約5cm)
- 新型「Recaro R4」シートを採用
- フットレスト&レッグレストで疲れにくい
- 快適なクッション設計とUSB電源完備

従来のANAプレエコは38インチのピッチでしたが、今回のモデルではさらに余裕が生まれ、中長距離でも快適に過ごせる設計になっています。
エコノミークラス:実質的に“広く感じる”シートに

エコノミーの座席ピッチ自体は33〜34インチと従来と同等ですが、以下のような改善が施されています。
- 膝元スペースを+1インチ(約2.5cm)拡大
- リクライニング角度を+2インチ(約5cm)増加
- 新設計シートで着座感を向上
わずか2.5cmですが、この差が快適性に大きく影響します。
座席数を減らしたことで、よりゆとりのあるレイアウトとなり、“体感的な広さ”が大きく向上しています。
比較表:旧機材との違い(座席数・ピッチ・主な特徴)
クラス | 座席数(新) | 座席数(旧) | ピッチ(新) | ピッチ(旧) | 主な進化点 |
---|---|---|---|---|---|
ビジネス | 48 | 48 |
個室 (103インチ) |
スタッガード (62インチ) | THE Room搭載 |
プレエコ | 21 | 21 | 40インチ | 38インチ | 座席ピッチ拡大、新型シート |
エコノミー | 137 | 146 | 33–34インチ | 33–34インチ | 膝元・リクライニング改善 |
導入予定路線
残念ながら、現時点(2025年6月)では導入予定路線は発表されていません。
2026年以降、長距離国際線に順次導入予定とされており、現行の787-9が投入されている路線が最有力候補です。
現在、787-9が使用されている主な路線
北米方面
- 羽田 - ロサンゼルス
- 羽田 - ホノルル
- 羽田 - シアトル
- 羽田 - ワシントンD.C.(ダレス)
- 羽田 - ヒューストン
- 羽田 - バンクーバー
- 成田 - ロサンゼルス
ヨーロッパ方面
- 羽田 - フランクフルト
- 羽田 - パリ(シャルル・ド・ゴール)
- 羽田 - ミュンヘン
- 羽田 - ウィーン
- 羽田 - ミラノ(マルペンサ)
- 成田 - ブリュッセル
- 羽田 - ストックホルム(アーランダ)※運航状況による
- 羽田 - イスタンブール ※運航状況による
オセアニア方面
- 羽田 - シドニー
- 成田 - パース
- 関西 - パース
アジア方面(代表路線)
- 羽田 - ジャカルタ
- 羽田 - 広州
- 羽田 - マニラ
- シンガポール、バンコクなど東南アジア主要都市
今回の新シートはプレミアムサービス強化を目的としており、特に東京(羽田・成田)発着の高需要ビジネス路線が有力です。
したがって、現行787-9で運航されている以下の路線が、新仕様導入候補として最も濃厚と考えられます。
- 東京~ロサンゼルス(LAX)
- 東京~パリ(CDG)
- 東京~フランクフルト(FRA)
- 東京~ワシントンD.C.、ヒューストン
- 東京~シンガポール
羽田~ホノルル線は、成田発のA380がすでに高い供給力とファーストクラスを持つため、新仕様の投入は後回しになる可能性がありますね。
どの路線から新シートが導入されるのか、今後の発表が楽しみです。
参考ANAの国際線機材一覧
ANAが保有している機材一覧(2024年ANAホールディングスリリースより)。
※国内線にのみ投入されている機種は省略。表にある保有数には国内線使用機材も含む
機種 | 主な用途 | 保有数 | 備考 |
---|---|---|---|
Boeing 777-300ER | 長距離国際線 | 18機 | THE Room搭載機あり(国際線フラッグシップ) |
Boeing 787-9 | 中~長距離国際線 | 43機 | 2026年より新仕様に改修開始 |
Boeing 787-8 | 中距離国際線 | 34機 | 一部国際線、一部国内線兼用 |
Boeing 787-10 | アジア・北米路線 | 7機 | 294席仕様(ビジネス38・プレエコ21・エコノミー235) |
Airbus A380-800 | ホノルル専用 | 3機 | 「FLYING HONU」シリーズ、成田~ホノルル専用 |
国際線主力機材である787-9がすべて新仕様に置き換われば、より高い確率で「THE Room FX」に搭乗できるようになるため、今後が非常に楽しみです。
まとめ ANAの新787が楽しみすぎる
ANAの新仕様787は、ビジネスクラスが完全個室レベルの快適性を誇り、プレエコやエコノミーも従来機材より快適に進化。
2026年これから導入される長距離国際線でこの機材に当たれば、旅の満足度は大きく変わるはずです。
ぜひANAの特典航空券予約やマイル活用時には、この機材が投入される路線をチェックしてみてください。