ANAとIHG One Rewardsの新しい提携プログラムについて、2026年11月6日に詳細が発表されました。
2027年1月からステイタスマッチがスタートし、ANAの会員ステイタスに応じて、IHGの上級会員資格を獲得できるようになります。
最大68泊分の宿泊実績がもらえるほか、IHGのマイルストーン特典も獲得できるのが今回の目玉です。
しかし、SFC(スーパーフライヤーズカード)会員は、ANAの一般会員と同じ扱い。ステイタスマッチによるメリットは限定的です。
さらに、新しい提携プログラムの開始に伴い、国内IHGホテルでのANA会員向け宿泊割引や、SFC会員などを対象とした朝食無料・ウェルカムドリンク特典が終了します。
ANA上級会員にはメリットがある一方、SFC会員にはかなり厳しい変更内容となっています。
今回発表された特典の内容と、どの会員が得をするのかを詳しく解説します。
ANA×IHG提携の3つの新特典

今回発表された新しい提携プログラムには、3つの特典があります。
| 特典 | 内容 | 開始予定 |
|---|---|---|
| ステイタスマッチ | ANAステイタスに応じてIHGの宿泊実績を付与 | 2027年1月 |
| ダブルディップ | ANAマイルとIHGポイントを同時獲得 | 2027年1月以降順次 |
| マイル・ポイント相互交換 | ANAマイルとIHGポイントを相互交換 | 2027年2月 |
一番の目玉は、やはりステイタスマッチ。
JALとマリオットの提携でも、アカウント連携による宿泊実績の付与が話題になりました。
JAL×マリオット提携開始!毎年最大40,000FOP&10泊でプラチナもJALとマリオット・ボンヴォイが初の戦略的パートナーシップを締結。アカウント連携だけで年間最大40,000 FOPが付与…
ANAとIHGの提携でも、宿泊実績がもらえる仕組みが導入されます。
ただし、今回は新特典の開始と引き換えに、国内IHGホテルで受けられていたANA会員向けの既存優待が終了する点に注意が必要です。
ステイタスマッチの仕組みとボーナスエリートナイトクレジット
ANAとIHGのステイタスマッチは、ANAマイレージクラブとIHG One Rewardsのアカウントを連携すると、ANAのステイタスに応じて宿泊実績が付与される仕組みです。
この宿泊実績を「ボーナスエリートナイトクレジット」と呼びます。
付与された宿泊実績によって、IHGの上級会員資格を獲得できます。
| ANAステイタス | 付与宿泊実績 | 追加宿泊 | IHGステイタス |
|---|---|---|---|
| ダイヤモンド+More | 68泊 | 2泊 | ダイヤモンド |
| ダイヤモンド+More | 68泊 | なし | プラチナ |
| ダイヤモンド | 38泊 | 2泊 | プラチナ |
| ダイヤモンド | 38泊 | なし | ゴールド |
| プラチナ | 20泊 | なし | ゴールド |
| ブロンズ | 10泊 | なし | シルバー |
| 一般AMC会員・SFCのみ | 5泊 | なし | クラブ |
※IHGでその年の対象宿泊実績がない場合の例です。
IHGのエリートステイタスは、付与された宿泊実績と、その年(1月1日〜12月31日)に実際に獲得した対象宿泊実績の合計で決まります。
例えば、ANAダイヤモンド会員なら38泊分が付与されるため、あと2泊すればIHGプラチナに。
ANAダイヤモンド+Moreなら68泊分が付与され、あと2泊でIHGダイヤモンドになります。
ANAプラチナ会員も、20泊分の宿泊実績がもらえるため、追加で20泊すればIHGプラチナを目指せます。
従来の半分の宿泊数でIHGプラチナを狙えるANAプラチナ会員にとっては、魅力的な仕組みです。
なお、追加宿泊の対象となるのは、IHG公式サイト・公式アプリ・LINEミニアプリなどから直接予約した宿泊です。対象となるポイント宿泊もカウントされますが、OTAや旅行会社経由の予約は対象外です。
付与される宿泊実績はアカウント連携時点のANAステイタスで決まるため、ANAの上級会員修行をしている人は、連携するタイミングにも注意しましょう。
実はマイルストーン特典も獲得できる!
今回のステイタスマッチで見逃せないのが、IHGの「マイルストーン特典」です。
IHGでは年間20泊から10泊ごとに、通常の上級会員特典とは別のボーナスを獲得できます。
今回の提携では、付与されたボーナスエリートナイトクレジットも、マイルストーン特典の宿泊実績にカウントされます。
| 宿泊実績 | 主な選択特典 |
|---|---|
| 20泊 | ボーナスポイント、フード&ドリンク特典など |
| 30泊 | ボーナスポイント、フード&ドリンク特典など |
| 40泊 | ボーナスポイント、スイートアップグレード、年間ラウンジ会員資格など |
| 50〜60泊 | ボーナスポイント、フード&ドリンク特典など |
| 70泊 | ボーナスポイント、スイートアップグレード、年間ラウンジ会員資格など |
※選択できる特典や選択数は達成したマイルストーンによって異なります。
例えば、ANAダイヤモンド+More会員なら68泊分の宿泊実績が付与されるため、マイルストーン特典でも大きなメリットがあります。
また、ANAダイヤモンド会員なら38泊分が付与されるため、40泊のマイルストーン特典が目前に迫ります。
IHGのラウンジ会員資格は、通常のダイヤモンドステイタスに自動付帯するものではなく、マイルストーン特典として獲得する仕組みです。
40泊になれば年間ラウンジ会員資格が選べるため大きなメリットに。
そのため、今回の宿泊実績付与は、単なるステイタスマッチ以上の価値があるといえます。
なお、マイルストーン特典は所定の期間内に選択する必要があります。
IHGの上級会員特典は意外と渋い
では、IHGの上級会員になると、どんなメリットがあるのでしょうか。
まずは、会員レベルとポイント特典を比較します。
| 特典 | クラブ | シルバー | ゴールド | プラチナ | ダイヤモンド |
|---|---|---|---|---|---|
| 達成条件 | 入会 | 10泊 | 20泊 or 4万pt | 40泊 or 6万pt | 70泊 or 12万pt |
| 宿泊実績の翌年繰り越し | ― | ― | ○ | ○ | ○ |
| ボーナスポイント | なし | 20% | 40% | 60% | 100% |
| ポイント獲得 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 無料宿泊へのポイント交換 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| ポイント有効期限なし | ― | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 会員限定料金 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
続いて、ホテル滞在時の主な特典です。
| 特典 | クラブ | シルバー | ゴールド | プラチナ | ダイヤモンド |
|---|---|---|---|---|---|
| 無料Wi-Fi | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 客室保証(72時間前) | ― | ― | ― | ○ | ○ |
| 客室アップグレード | ― | ― | ― | ○ | ○ |
| ウェルカム特典 | ― | ― | ― | ポイント・飲み物など | 朝食無料・ポイントなど |
| アーリーチェックイン | ― | ― | ― | ○ | ○ |
| レイトチェックアウト(最大14時) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| Hertzレンタカー優待 | ― | ― | ― | ファイブスター | プレジデントサークル |
| 無料宿泊特典の割引 | ― | ― | ― | ○ | ○ |
| ダイヤモンド専用サポート | ― | ― | ― | ― | ○ |
※特典は対象ホテルや空室状況、各種条件によって異なります。
IHGの上級会員特典は、個人的にはかなり渋い印象です。
特に、ホテル滞在で一番欲しい朝食無料は、原則として最上位のダイヤモンドにならないと利用できません。
客室アップグレードもプラチナから。
ANAプラチナ会員が獲得するIHGゴールドでは、ボーナスポイントが40%増えるくらいしか目立った特典がありません。
しかも、最大14時までのレイトチェックアウトは、空室状況次第ではありますが、クラブ会員でも利用可能です。
IHGでホテル滞在時のメリットを実感したいなら、少なくともプラチナ以上を目指したいところです。
一方、今回の提携ではマイルストーン特典の獲得も狙えるため、ANA上級会員にとっては一定の価値があります。
ダブルディップの対象条件は海外在住者限定!
続いて、ANAのマイルとIHGポイントを同時に貯められる「ダブルディップ」です。
ANAの対象国際線に乗ると、通常のANAマイルに加えてIHG One Rewardsポイントまで貯められるという仕組み。
これが日本在住者にも使えれば魅力的だったのですが……。
残念ながら、日本在住者は対象外です!
一応、対象条件をまとめておきます。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 対象者 | 日本国外居住のANA・IHG会員 |
| 対象フライト | 海外発のANA運航国際線 |
| 航空券の購入 | ANA海外サイトなどの直接販売チャネル |
| 対象運賃 | 予約クラスS以上 |
| 特典航空券 | 対象外 |
| ANA国内線 | 対象外 |
| コードシェア便 | 他社運航便は対象外 |
| 日本発の旅程 | 対象外 |
日本国外居住であることは、エントリー時点と搭乗翌月末時点の両方で判定されます。
例えば、対象となる旅程はロンドン→羽田や、ロサンゼルス→成田→シンガポールなど。
ただし、旅程の購入方法や発券方法にも条件があります。
日本に住んでいるANA会員は、海外発のANA便に乗る場合でも対象外。
この特典が日本在住者にも開放されていれば、今回の提携の魅力はかなり増したと思うのですが、残念です。
ANAマイルとIHGポイントの相互交換は2027年2月開始
ANAマイルとIHG One Rewardsポイントの相互交換は、2027年2月から開始予定です。
これまでもIHGポイントからANAマイルへの交換は可能でした。
交換レートは以下のとおりです。
IHG 10,000ポイント→ ANA 2,000マイル
一方、今回新しく始まるANAマイルからIHGポイントへの交換レートは、2026年11月6日時点では発表されていません。
個人的には、IHGポイントからANAマイルへの既存の交換レートは、それほど魅力的ではないと感じています。
ANAマイルからIHGポイントへの交換も、レート次第では利用価値が限定的になりそうです。
とはいえ、ANAマイルの有効期限が迫っている場合など、交換先の選択肢が増えること自体はメリットです。
今後発表される交換レートに注目したいと思います。
SFC会員にとっては厳しすぎる大改悪!
今回の提携で、個人的に一番残念なのがこちら。
SFC会員などが国内IHGホテルで受けられていた朝食無料・ウェルカムドリンク特典が終了します!
さらに、ANA会員向けの宿泊割引や飲食代割引も終了します。
| 終了するサービス | 対象会員 |
|---|---|
| 国内IHGホテル宿泊代割引 | ANAマイレージクラブ会員 |
| 国内IHGホテル飲食代割引 | ANAダイヤモンド・プラチナ、SFC会員 |
| 朝食無料・ウェルカムドリンク | ANAカード会員(一般カード除く)、SFC会員 |
既存の優待が使える期限は以下のとおりです。
- 予約期限:2027年2月28日
- 利用期限:2027年10月31日
ANA公式FAQでは、2027年3月から順次終了すると案内されています。
つまり、対象となる優待を使いたい場合は、2027年2月末までに予約しておく必要があります。
SFC会員は今回のステイタスマッチでも一般AMC会員と同じ5泊分の宿泊実績しか付与されません。
それなのに、これまで使えていた朝食無料などの特典まで終了してしまいます。
もちろん、既存の朝食無料特典は対象ホテルやプランなどに条件がありましたが、それでもSFC会員にとってありがたい優待のひとつでした。
新しい提携プログラムでは、SFC会員のメリットが増えるどころか、むしろ減ってしまう形です。
これでは、SFC会員にとって大改悪といわれても仕方がないのではないでしょうか。
ANAはSFC会員のメリットを、どこまで減らすつもりなのでしょうか……。
まとめ:ANA上級会員にはメリット、SFC会員には厳しい提携
JALとマリオットの提携が発表された際は、ステイタスマッチや宿泊実績の付与が大きな話題となりました。
ANAとIHGの提携にも期待していたのですが、今回の詳細発表は手放しでは喜べない内容でした。
もちろん、ANA上級会員に最大68泊分の宿泊実績が付与され、IHGのマイルストーン特典まで獲得できるのは魅力的です。
特にANAダイヤモンド以上の会員や、IHGホテルによく宿泊する人にとっては、十分メリットがあります。
一方、SFC会員は一般会員と同じ扱いで、ステイタスマッチによるメリットは限定的。
さらに、国内IHGホテルの朝食無料などの既存特典まで終了してしまいます。
ANA上級会員には改善、SFC会員には改悪。今回の提携は、会員ステイタスによって評価が大きく分かれる内容です。
個人的には、SFC会員にももう少しメリットを用意してほしかったですね。
いやー、本当にANAはSFC会員のメリットを減らす方向なのでしょうか。
今後のサービス改善に期待したいところです。









